玉の輿への試練の道のり

お金持ちの息子との出会い

お金持ちの息子との出会いしばらく彼氏がいなかった時に友人が主催した合コンで出会った人がいました。

その男性は茶髪のロン毛、アロハシャツのお世辞にも好みではないタイプでしたが、実家がかなりのお金持ちのようでした。その人自体は浪人生でうだつが上がらない様子だけれど、将来はご両親の病院を継ぐという話で、とりあえず付き合ってみて損はしないなと踏んだのです。

アルバイトを知らない王子様

こちらからの積極的なアプローチが実って彼と交際が始まりました。ですが、日数が経つにつれ一般庶民の私とはまるで価値観が合わないことに気付かされていくのです。

いつものようにわたしがバイト帰りに彼と待ち合わせた時にこんなことを聞いてきたことがありました。「前から思ってたんだけどバイトってどこで見つけるの？」と…。周りのおぼっちゃま付き合いの中でもアルバイトをしている人はいないらしく、そんな話にならないそうです。

それもその筈です。彼の一人暮らしの部屋ひとつとってもお母様からプレゼントしてもらった分譲マンションなのですから。

女遊びは趣味の一環

普段の交友費はお小遣いをもらっているそうですが、それもまた多額で女の子と派手に遊ぶのが好きな人でした。

失礼な話、外見でもてる訳はないのでやはりお金でモテていたといっても過言ではないと思います。もはや自分が本命かもよく分かりませんでしたが、他の女性を見つけては別れさせることをずっと繰り返していました。

最大のメリット、お金持ちだという面ではこの先婚活を必死にしたところでなかなか出会えないと思ったからです。好きな気持ちも多少はありましたが…。

お金の力で何にでもなれる？？

価値観のずれは常に感じながら付き合って半年の月日が流れていました。

そんなある日、もうついていけないとさじを投げる出来事が起きました。彼が病院を継ぐのはやめると言い出したのです。引かれたレールの上を走るのは嫌だと。そしてプロの野球選手になる！と言っていました。

彼が野球好きなことは知っているけれどただそれだけなんです。過去に野球の経験がある訳でもなく、現在はウォーキングだけでも息が上がる程の軟弱な体でそんなことを言い出しました。これまでお金でどうにかなってきたのかもしれません。

でもスポーツ選手は絶対にお金をどれだけ積んでもなれる訳ありません。そんなことも分からない彼に、玉の輿にのれなくても良いと思うくらい愛想が尽きる日が来てしまいました。

今では我慢し続けて結婚に至らなくて良かったと心底思っています。