思わぬところで結婚相手と運命の出会い

一途になってもらえなくても好きだった人

ある日、男友達から連絡がきて急遽女の子を集めて合コンをすることになりました。

男友達といっても実は私はずっとその彼が好きでした。彼は常に5～6人は女性の存在があるような人で、私もその中の一人でしたが、そんなことはどうでも良いと思える程彼にハマっていました。何もかもが大好きで、生涯で一番惚れこんでしまった相手です。

その彼から連絡があり、合コンでも何でも彼に会える嬉しさでいっぱいでした。

突然訪れた結婚を予感する出会い

カラオケで飲んで遊ぶことになり楽しく騒いでいましたが、ふと部屋の隅の方で一人でポツンとしている男性を見つけて声をかけに行きました。

色んな話をしていくうちに、まだ初対面なのにその男性に「この人と結婚したら幸せになれるんだろうな…」と感じ始めていました。その男性は素朴で純粋で、何人もの女性と遊んでいる好きな人とは全く違うタイプでした。

その時私の年齢は27歳、そろそろ婚活をして良い出会いをしなくてはいけない年頃になってしまっていました。自分だけの問題ならずっと好きな彼を追い続けていたかもしれませんが、両親が高齢の為早く孫の顔を見せてあげたいという思いは常に頭にありました。

ふたりの比較

好きな人を追い続けて結婚できたとしてもそれは幸せなのかというと分からない話です。

その日出会った真面目な彼はそんなにモテるタイプではないし、話を聞いていると浮気をされることはあってもすることは絶対にないと言っていました。その点燃え上がるような嫉妬も女を磨き続けたいと思うモチベーションも与えられないことは少々物足りないところではありました。

そして収入面では二人ともショップ店員をしていて、そんなに大差は無いように思いました。

青田買いは女の仕事

昔、何かの漫画かドラマで「青田買いは女の仕事」という言葉を聞いたことがありました。

どれだけ良い男に育つかを見極めるのは女の役目、または素質を備えた男をいかに育てられるかは女の力量といった具合でしょうか。収入の面では大きく違わなかった二人が、10年後にどう成長しているか…。

当時はもちろん全く想像ができませんでしたが、今その10年が経ったのです。

一番の幸せはここにありました

私の現在の夫はいわずもがな、真面目な方の彼です。あれから10年経った今、夫はショップ店員から企業に就職をし異例のスピード出世で毎日バリバリ仕事をしています。

そして…好きだった彼の近況を最近知る機会がありました。なんとその彼もショップ店員から一転、福祉を扱う会社を立ち上げて軌道に乗ったところのようでした。

私は妻としてこれからも主人が更に大きく伸びるように肥料を与え支えていくつもりでいますが、最高の幸せは男性ではありませんでした。幸運にも二人の子供に恵まれたことで、いつも無いものねだりばかりをしていた心は満たされました。

そして、夫を選んで本当に良かったと思います。