2024.10.29 更新
妊娠・出産が安全にできる年齢は?|子どもを持ちたい人のための婚活戦略
最近では「妊娠や出産に年齢は関係ない」という風潮が高まっています。
しかし、実際に妊娠や出産を考えている女性のなかには、「ある程度年齢も気にしたほうがよいのではないか」と感じている方もいるのではないでしょうか。
そんな女性に向けて、この記事では妊娠・出産が安全にできる年齢や、子どもを持ちたい人のための婚活戦略などをご紹介します。
目次
妊娠・出産の平均年齢は昔よりも高くなっている
昔は「30歳を過ぎてからの出産は高齢出産」と言われる時代もありました。
実際に、厚生労働省の「令和3年度 出生に関する概況」を見てみると、1975年は母親の出生時平均年齢は第一子が26.7歳、第二子は29.1歳で、20代で出産をするのが一般的でした。
しかし、近年は妊娠・出産の平均年齢が高まっている傾向があり、2019年の出生時平均年齢は第一子で30.7歳、第二子で32.7歳となっています。このデータを見るだけでも、妊娠・出産の平均年齢が高まっていることは明らかです。
さらに、同省の「人口動態統計」によれば、35歳以上で出産した女性の割合は1985年にはたったの約7.1%であったのに対し、2019年には約30.6%まで大幅に上昇しています。
先述した通り、昔は30歳を過ぎたら高齢出産と言われていたものの、現代では30歳を過ぎてから出産する人も多く、「高齢出産」という概念自体が薄れてきています。
女性の社会進出が妊娠・出産の平均年齢を引き上げている
妊娠・出産の平均年齢が上昇している理由には、まず女性の社会進出が挙げられます。
たとえば、4年制大学をストレートで卒業した場合、卒業時の年齢は22歳です。そこから就職をして、3年程度は「就職したばかりだから」と妊娠を望まない人が少なくありません。
社会人3年目の25歳くらいになると、責任のある仕事を任せられるようになったり、スキルアップを目指して転職をしたりと仕事はますます忙しくなります。そうなると、妊娠・出産を意識し始めるのは、プライベートにもゆとりができるアラサーになってからという女性が多いのです。
しかし、アラサーで妊娠・出産を意識しても、すぐに妊娠・出産ができるわけではありません。相手を探して結婚して……というステップも踏むことになるため、30歳を超えての妊娠・出産がスタンダードな形になっているのではないでしょうか。
妊娠・出産の平均年齢上昇の背景には不妊治療の発展も
以前よりも不妊治療が発展していることも、妊娠・出産の平均年齢上昇に影響を与えていると考えられます。
厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」によると、1985年ではほぼ0件に等しかった不妊治療実施件数が、2010年には250,000件近くまで増えています。
25年間でこれほどまで不妊治療の実施件数が増えているのには驚きますよね。
また、特定治療支援事業における年齢別の助成件数を見てみると、2012年の時点で94.8%が30代以降で、不妊治療を受けている方のほとんどが30代以降であることがわかります。
このように不妊治療が発展し世間に浸透するとともに、これまで自然妊娠の可能性が低くなっていた年齢の方でも妊娠しやすくなり、妊娠・出産の平均年齢上昇につながっているのではないでしょうか。
ただし35歳までが「妊娠・出産をしやすい年齢」である
「妊娠・出産に年齢は関係ない」という風潮は強まっており、実際に30歳以降で子どもを持つ人は少なくありません。
とはいえ、妊娠・出産には卵子の状態やホルモンバランス、体力などが関係しますし、妊娠・出産による母体のリスクも考慮しなければいけません。
もちろん、コンディションやリスクの高低には個人差があるため一概には言い切れないものの、さまざまな点を考慮すると「妊娠・出産をしやすい年齢」は35歳までであると考えられます。
ここからは、妊娠・出産をしやすい年齢が35歳までであると考えられる理由を、妊娠・出産に関するデータも交えながら解説します。
女性の卵子の数は決まっている
女性が生涯で排出できる卵子の数は決まっており、その数は400〜500万個と言われています。
毎月1回の排卵では、卵子のもとである卵母細胞が1,000個程度消費され、そのなかの一つが排卵される仕組みです。
個人差はあるものの、20代で10万個程度あった卵母細胞の数は、30代になると1〜2万個までに減少し、その後も年齢とともに少なくなっていきます。
卵母細胞が少なくなっても妊娠の可能性はありますが、卵母細胞が多い年齢と比べるとその可能性は低くなるのが一般的です。また、閉経を迎えて卵母細胞がなくなってしまうと卵子が作られなくなるため、妊娠は難しくなります。
このように女性の卵子の数は決まっており、卵母細胞の数も年齢によって差があるため、ある程度の年齢までのほうが妊娠しやすいと考えられているのです。
年齢とともに流産の可能性が高まる
年齢とともに、流産の可能性も高まります。厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」によると、25~35歳では10%前後の自然流産率が、35~39歳では20.7%、40歳以上になると41.3%にまで上がります。
35歳以上の自然流産率は、25〜35歳の自然流産率と比較すると有意差がある、つまり偶然ではないと考えられているようです。
さらに、同調査の「年齢別にみた周産期死亡率」を見てみると、20代~30代前半ではほとんど変わらない妊娠満22週以降の死産数+早期新生児死亡数(生後1週間未満の死亡数)の割合が、36歳から徐々に上がっていることがわかります。
自然流産率・周産期死亡率のデータからも、安全に妊娠から出産まで至る可能性が高いのは35歳までと考えられます。
30代後半からは妊産婦の死亡率も上がる
厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業等の あり方に関する検討会」の「年齢別にみた妊産婦死亡率」では、30代後半から妊産婦の死亡率も上がることが判明しています。
20代では1~3%の妊産褥婦死亡率(※)が、32歳からは6%まで上がります。さらに、37歳以上では10%を超え、42歳以降になると30%近い数値です。20代と42歳以降を比較すると10倍以上もの差があるようです。
妊娠・出産は年齢を問わず、母体に大きな負担がかかるもの。妊産褥婦死亡率のデータから、年齢を重ねて体力が衰えることで、妊娠・出産による母体へのリスクも大きくなるのではないかと考えられます。
※妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の死亡で、妊娠の期間及び部位には関係しないが、妊娠もしくはその管理に関連した又はそれらによって悪化したすべての原因によるもの
妊娠・出産を見据えた婚活戦略
女性の社会進出や不妊治療の発展などの理由から、昔に比べると妊娠・出産に年齢が関係なくなってきたのは事実です。
しかし、さまざまなデータを見てみると、安全かつ安心して妊娠・出産をしやすい年齢は35歳までであると考えられます。そのため、20代〜30代前半で妊娠・出産を希望している方は35歳までを目標に、35歳以上の方ははなるべく早めに妊娠・出産することを目標に婚活戦略を立てましょう。
ここからは、子どもを持ちたいと考える女性のために、妊娠・出産を見据えた婚活戦略をお伝えします。
婚活にかけられる時間を事前に確かめる
まずは、婚活にかけられる時間を事前に確かめておきましょう。
スムーズに妊娠まで至っても、妊娠してから出産するまでには10ヶ月もの期間があります。また、結婚したいと思えるお相手と出会えたとしても、実際に結婚まで至るには時間がかかるかもしれません。
このような要素を踏まえて、「何歳までには出産したい、そうなると何歳までに結婚相手と出会って、何歳までには結婚をして、何歳までには妊娠をする」と、スケジュールを逆算してみます。
さらに、結婚したらすぐに子どもが欲しいのか、しばらくは2人だけの新婚生活を楽しみたいのかといった、子どもを持つ時期についても大切なポイントです。
結婚後の生活も含めて、理想のタイムスケジュールを考えておきましょう。
婚活サービスを活用して婚活する
理想のタイムスケジュールを算出してみると「たったこれだけしか時間がないの!?」と驚く人も多いはず。結婚を意識し始める人が多い20代後半から婚活を始めても、35歳までに妊娠・出産を目指すとなると、残された時間は意外と限られています。
そこで、スムーズに結婚を目指すためにも、婚活サービスを活用するのがおすすめです。
友人や仕事関係を通じて自然発生的に生まれる出会いの数は非常に少ないです。そのうえ、結婚したいと思えるような男性との出会いがあっても、お相手が結婚を望んでいないケースも少なくありません。
一方、婚活サービスでは、自然発生的な出会いとは比べものにならないほど多くのお相手と出会えます。また、婚活サービスを利用している方のほとんどは真剣に結婚を希望しているのもメリットです。
出会いのチャンスを待っているだけで過ごすよりも、婚活サービスを利用して積極的にお相手を探したほうが効率的に婚活を進められます。
どんな結婚をしたいのか現実的な理想を考える
「年齢のことを考えて漠然と婚活を始めてみたものの、なかなか理想のお相手と出会えない」というケースも多いようです。理想のお相手と出会えないのは、理想の結婚相手を具体的に考えていないからかもしれません。
婚活を始める際は、「自分はどんなお相手と結婚したいのか」をきちんと考えておくことも大切です。
ただし、年齢や年収など具体的な条件を細かく考えると、条件が厳しくなってしまったり性格の部分での理想像が不明瞭になったりします。そのため、「ご飯を食べるのが好きな人がいい」「一緒に海外旅行に行ってくれる人がいい」など、理想の結婚生活を送るためにはどのようなお相手がいいのかを考えてみるのがおすすめです。
また、高望みをすると理想のお相手と出会いづらくなってしまうので、現実的な理想を考えてみましょう。
妊娠・出産を見据えた婚活なら結婚相談所がおすすめ!
婚活サービスには婚活アプリや婚活パーティーなど、さまざまなサービスがあります。しかし、妊娠・出産を見据えて婚活をするなら結婚相談所がおすすめです。
ここからは、結婚相談所をおすすめする理由を解説します。
アドバイザーのサポートがある
一般的な結婚相談所ではアドバイザーがつき、婚活に関するさまざまなサポートをしてくれます。
たとえば、35歳までの出産を目指した婚活スケジュールを組んでくれたり、お相手とのコミュニケーションをサポートしてくれたりします。
アドバイザーは、自分にはどのようなお相手が合うのかわからないという悩みや、交際中のちょっとした不安などもサポートしてくれる心強い味方です。1人で婚活をするよりも、安心して婚活を進められるでしょう。
結婚を望む会員しかいない
結婚相談所の会員は結婚を望む人のみです。そのため、「いいお相手と出会ったのに、すぐに結婚を望んでいるわけではなかった」「お相手は結婚願望自体なかった」などのミスマッチも防げます。
交際中に「結婚する意志があるのか知りたい!でも、そんなこと聞きづらい!」とモヤモヤする心配もありません。
結婚相談所では結婚を望む会員同士が出会うため、お互いの「交際したい」という気持ちが一致した場合は、結婚を前提としたお付き合いが始まるからです。また、結婚についてお相手に気持ちや考えを聞きたいときは、アドバイザーを通じて確認することもできます。
妊娠・出産の価値観が合う人と出会いやすい
結婚相談所はアドバイザーのサポートがあるほか、結婚を真剣に考えている会員ばかりだからこそ、妊娠・出産に関する価値観が合う人と出会いやすかったり、価値観のすり合わせがしやすかったりします。
妊娠・出産に関して自分がどのように考えているのかを事前にアドバイザーに伝えておけば、同じような考え方のお相手を探してもらうことや、考えや気持ちをお相手に伝えてもらったうえでお見合い・交際をすることも可能です。
また、お互いが真剣に結婚を考えているため、早い段階で妊娠・出産に関する価値観をすり合わせておけます。
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